4. ドラグシン復帰プロトコル
ここで抑えておきたいのは、リバプール戦でベンチ復帰を果たしたラドゥ・ドラグシンのそれまでの経緯だ。リバプール戦の先発メンバーが発表されたとき、ベンチにドラグシンの名前があったことは、ちょっとした驚きを巻き起こした。試合前のトーマス・フランクの恒例の記者会見で、このルーマニア代表ディフェンダーが復帰可能であることは語られていなかったからだ。
12月30日のパレス戦を控えての記者会見でも同様に、コウタが招集メンバー入り可能だとはフランクの口から明かされていない。しかし、ドラグシンのプロトコル(手順)を考えれば、パレス戦のベンチ入りメンバーに名を連ねていても何ら不思議ではない。
ただし、コウタは12月2日のU-21の非公開試合が負傷明けで初の実戦経験となったが、ドラグシンはその前の11月12日に同じくU-21の非公開試合、レイトン・オリエント戦で実戦経験を積んでいた。ドラグシンは、1月のヨーロッパリーグで前十字靭帯(ACL)を負傷して長期離脱を強いられ、クラブ側からも長期の離脱やACLという厄介な負傷であったことからも、慎重に復帰までの準備を要した経緯がある。
一方、コウタは当初、足底筋膜炎の負傷で離脱と伝えられたが、この負傷は9月頃にはいったん癒え、その後、大腿部の負傷を抱えていたとされる。足底筋膜炎も厄介な負傷であることには違いはないが、さすがにACLの比ではなく、その足底筋膜炎の負傷についても早期に癒えていたのであれば、コンディション調整を含めて早期に準備が整う可能性がある。
5. 結論:ベンチ入りは濃厚、その先への影響
負傷による欠場が続き、そのまま出番が少なければ1月の移籍市場でローン移籍の可能性もあったが、年末年始をまたいでようやくベンチ入りのチャンスが巡ってきた。トレーニングではしっかりと「ファーストチームの一員」としての地位を固めており、これから噂されるドラグシンのイタリア行きが決まれば、コウタがスパーズに残り、控えセンターバックとしてロメロやファンデフェンのローテーション要員を務める未来も現実味を帯びてくる。
ただし、ドラグシンの去就にかかわらず、コウタがまずはトレーニングでコーチ陣やチームメイトから確かな評価を得ることがより現実的にスパーズでの未来を切り開く方法だろう。引き続き、スパーズジャパンではクラブが公開するトレーニング動画を注視していきたい。
しかし、すでにハンブルガーSVでの活躍が著しいクロアチア人センターバックの18歳ルカ・ヴシュコヴィッチのこの冬のローン・バックの噂も出ており、「スパーズでのコウタの未来」を巡る情勢はまだまだかなり流動的である。

