トッテナム・ホットスパーは、慈善団体『Samaritans』と提携し、クリスマスの時期に向けた強力なメンタルヘルス・キャンペーン『To Talk Is To Do(告白なくして、健康なし)』をローンチしました。
モットーに込められた新たな意味
クラブの象徴的なモットーである「To Dare Is To Do(挑戦なくして、成功なし)」にひねりを加えたこのキャンペーン名は、悩みを抱える人々にとって、「誰かに話すこと」こそが勇気ある第一歩(行動)であるというメッセージが込められています。
クラブが実施した調査によると、メンタルヘルスの不調に苦しむ人の半数以上(58%)が「支援を求めることに消極的」であり、5人に1人(20%)が「今年のクリスマス期間は昨年よりも辛い」と感じているという衝撃的なデータが明らかになりました。
【深掘り解説】To ◯◯ Is To Do の構文が持つ真意
一見するとシンプルな英語に見えますが、このスローガンには英語特有のレトリックと、スパーズの歴史的文脈が重層的に込められています。スパーズジャパンとして、この言葉の深層を解説します。
1. 「Aすることは、すなわちBすること」の定義
英語には To see is to believe(見ることは信じることだ/百聞は一見にしかず)のように、「Aすることは、Bすることと等価である(A=B)」 と定義する構文があります。
通常、英語圏でも “Actions speak louder than words”(言葉より行動)と言われるように、「Talk(口だけ)」と「Do(行動)」は対立概念として扱われがちです。しかし、このキャンペーンは “To Talk Is To Do” とすることで、「話すこと」と「行動すること」をイコールで結びました。 「悩みを打ち明ける(Talk)ことこそが、具体的で勇気ある行動(Do)そのものなのだ」 という、常識を覆す強い肯定のメッセージが含まれています。
2. オリジナル「To Dare Is To Do」との共鳴
スパーズのラテン語のモットー Audere est Facere は、英語で “To Dare Is To Do” と訳されます。
- To Dare: 敢然と挑むこと、リスクを冒すこと
- To Do: 成し遂げること、実行すること
つまり、「挑むこと(リスクを取る姿勢)そのものが、すでに成し遂げること(成果)の本質なのだ」という意味です。 今回のキャンペーンは、この「Dare(挑む勇気)」を「Talk(話す勇気)」に置き換えています。「話すなんて弱さの露呈だ」「解決にはならない」と躊躇する人に対し、「いいや、話すことはスパーズが最も大切にする『Dare(挑戦)』と同じくらい価値のある『Do(偉大な行動)』なんだよ」 と、クラブのアイデンティティを通して語りかけているのです。

