スコールズ 私はポチェッティーノが好きだ
このエントリーをはてなブックマークに追加 Check スパーズ関連のメディア報道・その他2015年2月16日
マンチェスター・ユナイテッドやイングランド代表で活躍したポール・スコールズがインディペンデント紙に寄稿しているコラムで、始動から半年を経て真価を見せているマウリシオ・ポチェッティーノ体制のスパーズについて総評。

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彼のチームは火曜日にリバプールに敗れたとは言え、その試合においてもマウリシオ・ポチェッティーノの色がよく見えたよ。私は彼が若い指導者の中ではベストだという思いを強めたね。

私がポチェッティーノを好む理由は、彼のコントロールだ。彼は選手をコントロールし、その戦い方をコントロールしている。決して思い上がることないが自信を持っているし、チームはエネルギーに溢れたプレーをしている。

夏の移籍マーケットでほとんど補強していないが、自分が引き継いだ選手たちをどんどん強化している。4-2-3-1のフォーメーションで明確な戦い方を持っているし、聞いたところによると、チームのフィットネスを高めることに彼は大きな労力を割いているようだ。トレーニングで限界まで追い込むことにより、試合でも同じように戦うことができるということだね。

それだけじゃなくて、エマヌエル・アデバヨールやロベルト・ソルダード、パウリーニョといった選手を差し置いてでも若手選手を起用していく勇気だね。ナビル・ベンタレブやライアン・メイソンは、ハードワークに秀でているし、ミッドフィールドの核を固めている。その前には攻撃的ミッドフィルダーの3人、クリスチャン・エリクセン、ムサ・デンベレ、エリク・ラメラにはポジションを変える自由を与えている。ハリー・ケインは、自分が最高のセンターフォワードであることを誇示しているよね。

ティム・シャーウッドが多くの若手選手にチャンスを与えたことを私は認識しているが、ポチェッティーノも同様に若手への信頼を見せているよね。メイソンとベンタレブの2人は、これまでのキャリアを積んでからトップチームに定着したとはいえ、プレミアリーグではともに経験値が少ないし、まだまだこれからミスをするだろう。リバプール戦の前半、2人はミスをした。だが、それでもチームへの貢献は大きかったよ。

今シーズン、メイソンに私は幾度と無く目を奪われている。タックルができて戦術理解に長け、両足でしっかりとボールが蹴れる。ピッチ上で起こっていることを掌握している。これまで何度かローン先での生活を送り、負傷に悩まされた末のスパーズでのレギュラー獲得だと理解しているが、彼の成長はケインの飛躍に隠れている。しかし、私はメイソンがイングランド代表の次代のメンバーに入るべきだと思っているよ。

それはケインについても言えること。チェルシー、アーセナル、リバプールのようなチームを相手にゴールを決めた彼の能力に反論の余地は無い。特にアウェイでのリバプール戦だ。アンフィールドでのゴールは、点取り屋としての試金石だからね。ケインは、リーグ下位のチームとのホームゲームだけでゴールを決めているわけではなく、ホワイトハート・レーンを離れ、敵地で最強のチームと戦ってもゴールを決めることができるんだ。

何が彼の能力を際立たせているか。以前、彼には抜きん出た才能はないと言ったことがあったが、あらゆるカテゴリーでゴールを量産している。彼のことを見れば見るほど、その落ち着き払った性格に舌を巻く。攻撃的なポジションでプレーするのは容易いことではない。常に注目されるなかで、プレッシャーに対処しながらやっていくことになるんだ。ケインは実にあっけらかんとしているようだ。

あの火曜の夜。マーティン・シュクルテルは相手センターフォワードを苛立たせることに長けた選手だ。ディエゴ・コスタのような経験のある選手を挑発し、見事に苛立たせてみせた。しかし、ケインは一度たりともシュクルテルの挑発には動じなかったし、その徴候すら見せなかった。そして、チャンスが訪れると、落ち着き払って決めてみせたのさ。前にも言ったが、彼のフィニッシュはルート・ファンニステルローイを彷彿とさせる。ルートという男は、ゴールキーパーにセーブの匂いを決して与えたがらないストライカーだった。ケインも同じだよ。

傍から見ていると、スパーズというのはいつも不安定なチームだった。彼らは、好調に舞い上がっているか、リーグの下位に低迷しているかのいずれかだ。ポチェッティーノが持ち込んだもの。それは落ち着きだ。彼は引き継いだ選手たちに敬意を示し、シャーウッドのもとで頭角を現した若い選手たちとともに歩んでいる。

さらに、彼はアカデミーやU-21の視察に余念がないと聞いている。そのことがどれほど重要かを説明するのは難しい。現代の監督たちに向けられる要求は大きく、彼らの多くはユースまで目を向ける時間など無いと感じている。しかし、ファーストチームの監督が若手まで目を行き届かせ、名前をしっかりと把握していることでクラブのムードは大きく変わる。私の監督がそうだったからね。