/マウリシオ・ポチェッティーノ、「ダイブ」に対する道徳的な執着心がこの競技を衰退させる

マウリシオ・ポチェッティーノ、「ダイブ」に対する道徳的な執着心がこの競技を衰退させる

 

ポチェッティーノは、人間の審判が起こす判定ミスはこの競技の本質的な要素であるとして、ビデオ・テクノロジーの導入についての厳しい意見を持っている。

 

 

マウリシオ・ポチェッティーノは、これからイングランドのフットボールが過度な介入が「ダイブ」のような小さな問題への執着を強めることによって、徐々にこの競技を衰退させてしまうことを危惧している。デレ・アリが日曜のアンフィールドでの2-2で終わったリバプール戦で、シミュレーションによってこの手の反則ではここ数年で3度目のイエローカードを受けた後、その言葉を借りれば「重箱の隅を突付く」ようなフットボール界を包む道徳的な混乱が、フットボールの表現の自由を妨げる危険性について、ポチェッティーノは信念を明かした。

 
さらにビデオ・テクノロジーの導入について厳しい意見を持つポチェッティーノは、人間の審判が起こす判定ミスはこの競技の本質的な要素であると語っている。同様に、この競技のルールによって適切に裁くことができる反則である限り、ピッチ上でのシミュレーションは、嫌われる行為というよりむしろ競技における戦術と説くポチェッティーノは語る。

「フットボールは相手を欺く競技だよ。」

トッテナムの監督は、過去、ニューウェルズ・オールドボーイズやエストゥディアンテスで現役キャリアを積んでいた頃、「ダイブ」でペナルティを勝ち獲ることは技術の高さの証明であり、トレーニング中に腕を磨いていたと認めている。そしてポチェッティーノは、自身の足をかすめたマイケル・オーウェンの「ダイブ」によって2002年のワールドカップでイングランド代表がグループステージを突破し、アルゼンチン代表を敗退に陥れた事実から、イングランド人の「ダイブ」についての道徳心に嫌悪感を抱いている。

ポチェッティーノの「ダイバーを容認すると採れる姿勢」は一定数の批判を集めるだろう。しかし同時に、母国語ではない言語でこの繊細で知的な感情を伝えたことに、大きな称賛を与えられるべきである。彼はアリの「ダイブ」が警告を受けたことについて同意しているが、アリが審判から悪評を得始めているとは思っていない。しかし、彼が最も困惑したのは、周囲の怒りと騒動の盛り上がりだった。

「いいかい。イエローカードが出たんだよ。あのプレーがあって、主審が正しい判定をした。他の試合でも今回のようなことはたくさん起こっている。問題は、今、皆さんがこの一件にとても敏感だということ。そして、皆さんはデレ・アリにとても注目している。これはちょっとやりすぎだよ。この手のプレーにしては注目度が大きすぎる。私は小さな問題だと思うよ。

「いいかい、デレについてもっとポジティブなことがいっぱいあるよ。もちろん彼はパーフェクトじゃない。誰もパーフェクトじゃないね。もちろん、彼は賢い青年だ。多少、ムカつくところもあるけどね。そこは問題だ。この件よりも大きなね。我々の知るこの競技が、変わっていってしまうことを私は心配しているんだよ。

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議論は、メディア論やイギリスの例外主義、そしてフットボールの本質へと広範なテーマにいっきに拡張した。

「フットボールはクリエイティブな競技であり、極めて賢明な人間へと成長できるだけの才能が求められる。そして今、我々は小さな問題に大きな注目をしている。ここ数年、我々の愛するこの世界中の人たちが心から楽しんで視聴する情熱的な競技を、極めて厳格な構造にはめ込もうとしているのこと
を私は心配している。VARは、今回のように小さなアクションに過度に注目しすぎている。」

「フットボールはいかに相手を騙すかだ。イエスかノーか?『戦術』というが、『戦術』の意味は何か?戦術を繰り出す時、相手の裏を取ろうとする。初め右でプレーしていたが、最後は左でプレーをする。20年前、30年前も、今回のように審判を欺く行為は称賛されていた。それが私が子どもだったころに愛したフットボールだった。イエス、それはアルゼンチンでの話だ。だが、イングランドでもそうだろう。あなた方は、イングランド人が常に正直で常に完璧だと信じているのか?」

最後に、あまり時間を要せずにビデオによる詳細分析を行うことで、審判が判定のミスを無くす取り組みは、推進されていくべきだとポチェッティーノは語っている。

「この競技を衰退させてしまうことにならないかを、私は危惧している。我々はこの競技を愛している。審判も人間であり、正しい判断をすることもあれば、正しくない判断をすることがある。10ヶ月のシーズンを通せば、応援する側にとって不満が残る判定もあるだろうし、歓迎する判定もあるだろう。私にとって、フットボールのそういった側面も好きなんだ。」

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「私が危惧しているのは、例えば「ダイブ」をして、審判がそれを見て、処分をする。それは当然の判定だ。だが、それ以上に狂気的になってはいけないということだよ。」

この騒動からの数日後、水曜の夜のトッテナムのFAカップ4回戦再試合、ウェンブリーでのニューポート・カウンティ戦で、アリはピッチ上でスポットライトを浴びず、歓迎すべき温存となるだろう。ポチェッティーノは、その後に控えるアーセナル、ユベントスとの試合に向けて数人の選手の入れ替えを明かしていた。トビー・アルデルヴァイレルトやダニー・ローズが負傷からの復帰戦を飾り、ハリー・ウィンクス、フェルナンド・ジョレンテ、フアン・フォイス、セルジュ・オーリエも、先発メンバーに名を連ねることが予想されている。

当然のことながら、トッテナムはサウス・ウェールズから8000人のファンとともにウェンブリーにやってくるリーグ・ツーのクラブとの対戦で下馬評圧倒的優位となっている。ニューポートには、この試合の入場料収入の45%とテレビ放映料が入ることになり、今シーズンのカップ戦だけでの収入で70万ポンド(およそ1億円)と、クラブの年間収入の三分の一を得ることになる。