/ハリー・ウィンクス、トッテナムの小さなイニエスタの大きな野望

ハリー・ウィンクス、トッテナムの小さなイニエスタの大きな野望

21歳のミッドフィルダーは、ハリー・ケインと同じ足跡を辿り、スパーズ・アカデミーからファーストチームへの成長を遂げている。

 

他のトップクラブであればローンに出すであろうハリー・ウィンクス

 

ハリー・ウィンクスは目を輝かせ、未来のことを語りはじめた。

「まだまだやらなきゃいけないことはいっぱいあるよ。先行投資みたいなものだって考えているよ。すでに出来上がった建売りの家じゃなくて、特別な自分の趣向で作り上げていく注文住宅の家を作っていくような感じさ」

21歳のウィンクスは、トッテナムのユニフォームを着てのキャリアについて容易く語ることができる。ヘメル・ヘムステッドで生まれ、インフィールドで育ち、ホワイトハート・レーンで鍛え上げられたウィンクスは、これからウェンブリーでプレーする。

アカデミー出身の逸材として、順調に歩みを進めるウィンクス。

トッテナムとタイトルを争うであろうライバルたちが、巨額の補強費を投じて攻撃的ミッドフィルダーを狙っているなかで、このノースロンドンのアカデミー出身選手は、すでにマウリシオ・ポチェッティーノ監督から、「小さなイニエスタ」の称号を得ている。

 

Winks leaping into Pochettino’s arms was one of the photos of last season… (Image: Getty)
アメリカでのプレシーズン・ツアーでも、その成長は続いていた…

 

他のクラブであれば、彼はローンに出され、高額の補強費で連れてきた選手のために枠を空けることになっただろう。日曜にチェルシーとの対戦を控えているスパーズでは、飛躍を遂げた昨シーズンを経て、さらにレベルアップを狙えるのである。

今のフットボール界のファイナンスは狂っている。そのなかにあって、このクラブは屈強に立ち向かっている。

 

彼に刺激を与えた人物としてハリー・ケインの他にもその育成に携わったアカデミーの監督、ジョン・マクダーモットがいる。

「彼(ケイン)はフットボーラーとしてワールドクラスなだけじゃなく、人間としても一流なんだ。一生懸命励んでいるし、お手本を見せている。話していても本当にナイスな男なんだよ」

 

バルセロナのミッドフィルダーに因んで、「小さなイニエスタ」と呼ばれるウィンクス

 

ハリー・ケインと同じように、ファンの寵愛を受けたいか?

「そうなったらナイスだね」

「まだまだ自分はやらなきゃいけないことがいっぱいあると思ってる。良いシーズンを1シーズン過ごせたと思ってるけど、ハリー(ケイン)がこの4年続けていくように、僕もこれを続けていくことが重要だ。謙虚に、分別を持って、懸命に続けていくことさ」

 

ケインに刺激を受け続けているなかで、ウィンクスは、チェルシーを離れてファーストチームでプレーすることを選択したU-21イングランド代表のチームメイトであるナサニエル・チャロバーやルーベン・ロフタス・チークを励ましている。

 
ハリー・ケインは、トッテナムのアカデミーの若手たちに刺激を与え続けている

 

チャロバーはワトフォードに移籍し、ロフタス・チークはローンでクリスタルパレスに渡った。

11月のノースロンドン・ダービーの終盤にウィンクスが途中出場を果たした時、この2人はウィンクスに大きな声援をおくっていた。

 

「イングランド代表に招集されて、そこでチームメイトと会うと、『あの試合の君は凄かったね』って話題になるのさ。周りの選手ほど、僕自身が誰かの刺激になってるなんて思ってはいないけどね」

「ネイサンとルーベンと僕は、プレミアリーグでフットボールをプレーしていて、それぞれが異なる道を歩んでいる。まったく異なる経験を積んでいくことになるのさ」

 

ウィンクスがプレミアリーグでプレーするのを観たチャロバーはチェルシーを去りワトフォードに

 

 「イングランド人プレーヤーにとってプレミアリーグで出場機会を得ることがどれほど大変かってことはよく知られている通りだから、僕らみたいに若手にチャンスを与えてくれる監督なら、イングランド人にとってはありがたいよね」

 

シニアのイングランド代表に選ばれることをずっと目標にしてきた21歳のウィンクス。

「実現したら夢のようだね」

 

そう語るウィンクスだが、すでに昨シーズンのアウェイのCSKAモスクワ戦でチャンピオンズリーグでのデビューは果たしている。

ポチェッティーノやコーチング・スタッフから自身に向けられる敬意がウィンクスのモチベーションとなっており、ウィンクスのゴールなどにより昨年11月に3-2で勝利したウェストハム戦の後のコーチ陣の喜びようがその証左と言える。

 

「(試合の後)ちょうどシャワーを浴びに行こうと思って、タオルを持って座ってたんだ。そこにゴールキーパーコーチのトニがやってきて、『ハリー、監督の部屋に入ってこい』と言われたのさ」

「だから監督の部屋に入ったら、コーチたちがそこにいてワインのボトルを開けて、勝利を祝っていた」

「監督が僕を引き寄せて握手をし、抱きしめてくれた。他のコーチたちは全員で大きな声で『よくやった(Well Done)』と言ってくれたよ」

「僕は、『チャンスをくれてありがとう。皆さんが僕に与えてくれたすべてにありがとう』と言ったんだ。あのゴールは、コーチたちの日々の指導への恩返しさ」