「8月不発記録」を一蹴するハリー・ケインは、ダニエル・レビィ会長の交渉力と、ダニー・ローズの不満コメントについて語った。

 

現在、イングランド代表のキャンプに合流しているスパーズのストライカーは、ウェイン・ルーニーの後継者としてスリー・ライオンズのキャプテン候補にあがっている。

 

 

シーズン序盤の不発について、イングランド代表のチームメイトたちから誂われているであろうハリー・ケインだが、今シーズン中にそのチームメイトたちへのリベンジを果たすことになるだろう。

確かに、金曜に控えるワールドカップ予選のマルタ戦に向けて準備を進める選手たちは、トッテナム・ホットスパーで8月のゴールを記録したことがないケインを笑っているようだ。

 

笑顔でケインは語る。

「マルタ戦は9月1日だから大丈夫だろう、ってみんながジョークを言ってるよ。これからしっかりやらないとね」

 

代表チームのキャンプ地であるセント・ジョージズ・パークの屋内トレーニング場で、デレ・アリがキーパーを務めるゴールを抉じ開けたハリー・ケインは、そのことについて気にはしていない。

「みんな、僕がそのことをあまり気にしてないって知ってるだろ。これまでも8月にゴールを決められず、それでも2シーズン続けて素晴らしいシーズンを過ごしたんだ。気持ちを集中させて、一生懸命やるだけさ。そのうちゴールは決まるって分かってるからね。今シーズン、僕のシュートは2度ポストを叩いたわけだし、良いポジションをとれている。気分も上々で動きもキレてるから、全然心配することはない」

「こういった時期もあるのさ。今だけじゃなくね。数字がどうこうってのは気にしてないよ」

「とにかく精神面を集中させて、自分の仕事に打ち込むんだ。僕の仕事はこれからの2試合でイングランド代表のためにゴールを狙うこと。まずはそこからさ」

 

ケインは今回の移籍マーケットで移籍の噂が立たなかった選手であるが、自身のクラブとの契約にはバイアウト条項(他クラブが一定額の移籍金でオファーを提示したらスパーズは移籍を拒否できない取り決め)が無いと明かし、トッテナム・ホットスパー以外でプレーするつもりは一切ないと語っている。

「ノー、無いよ。そんなことを考えたこともない。みんな分かっていると思うけど、僕は完璧にスパーズに忠誠を誓っているから、そんな条項を付ける理由がないね」

 

移籍マーケット最終日を控えるが、ケインは移籍マーケットの動向にはあまり関心が無いようだ。スパーズのダニエル・レビィ会長は、最終日に活発に動き、商談を成立させることで有名だが。

「本当に正直に言うと、あまりね。もちろん、監督は補強したい選手を獲るだろう。僕だって、どんな選手が来るのか興味あるけど、他のチームのことはよく分からない。トッテナムだけに集中しているよ。

 

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8月のプレミアリーグでゴールを決めたことがないハリー・ケイン

 

「ダニエルは最終日に最高の取引をするのが得意だけど、僕らはただ待つしかない。ダニエルは素晴らしいビジネスマンで、見事にクラブを運営している。新しいトレーニング・グラウンドもそうだし、新スタジアムの建設も、彼は自分がやりたいことを実現させているんだ。クラブによって会長は異なる。でも、彼は彼の役割をこなし、チームにとって最善を尽くしてくれている」

 

ダニエル・レビィ会長と向き合って、商談の相手となったことは無いと明かすハリー・ケイン。

「僕は自分で契約の話しをしないからね。彼はビジネスマンだし、彼はすべきことを理解している。このクラブに来てからも長いし、このクラブのために本当に素晴らしい仕事をしてくれた。見事にクラブ運営をしてくれているよ。選手の立場から言うと、普段、僕らが使っているトレーニング場の設備は、他に類を見ない素晴らしいものだ。彼と顔を向き合わせて交渉をしたことがないから、彼の交渉の席での恐ろしさを僕は知るすべがないけどね」

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タフ・ネゴシエイターとして悪名高いダニエル・レビィ会長

 

 

レビィ会長の移籍マーケットにおけるポリシーは、この夏にも顕著に見られた。ダニー・ローズがあのコメントを発してから、ローズがグーグル検索する必要がないような選手の補強を心掛けているようだ。ローズへの批判は避けたケインだが、やんわりと次のようにコメントする。

「彼(ローズ)は確かにそう言ったわけだけど、今は復調し、スパーズのためにチームを助けることに専念しないといけないよ」

 

シーズン序盤は不発でスタートしたが、ケインがタイトルへの挑戦に本気で臨んでいるという姿勢を見せるためにも、イングランド代表での結果を気にせずにはいられない。イングランド代表は、来夏のロシアでのワールドカップに向けて比較的楽な予選に挑むが、まだまだやるべきことは多い。楽なグループが意味するのは、本大会まで本当の意味での真剣勝負は無いということだ。

 

 

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スパーズへの不満をメディアに明かしたダニー・ローズ

 

「その通りだよ。長らくイングランド代表は栄冠を勝ち獲ってないからね。これまでは良いチームが組めたことがあったけど、それでも何も勝ち獲れなかった。僕の考えでは、これからタイトルを狙っていかなきゃいけないと思っているし、それこそがイングランド代表の歴史にとって最大の功績となるはずだ。これまでの代表チームは辛酸を嘗めさせられてきたし、近年の僕らもそうだったけど、ここで状況を変えなきゃいけない。次の夏こそね」

「何より大事なのは、今はワールドカップの出場を決めることで、これからの2試合に勝つことだ。それができてようやく準備をスタートできる。僕らのフレンドリー・マッチは、トップチームが組まれているから、そこで腕試しとなるだろう。(6月にパリで3-2で敗れた)フランス戦は良い経験だった。彼らは数年前にユーロでファイナルに進んだチームだ。大きな実力差があるとは言わないけど、あの経験を経て取り組んでいる」

「トップとの差はそれほどあるとは思わない。ほんの少しだけさ。フランスはとても優れたチームで、多くの良い選手がいる。僕らと同じようにね」

「本大会で良い戦いをすることが最重要なんだ。言うのは簡単だよ。実力的には、それほど差は無いと思う。でも、大きな舞台で実力を発揮することができるか。それはいつも話題になっていることだけど、これからワールドカップに向けて、さらに話題になるだろうね。そこを僕らは変えていかなければいけない。どうすれば変えられるかを言葉で表現することはできないけど。とにかく、ピッチの上で証明していくしかない。自分たちにできることを、みんなで一生懸命にやっていく。そして、良いタイミングでそれが結実することを願っているよ」

 

まさに、この代表戦は、ケインがゴールの感覚を取り戻す、最善の時と言えるだろう。