Eric Dier says the current England squad’s strength lies in the fact it is drawn from so many different clubs compared to previous eras.
多くのクラブから選手が集まっていることが現イングランド代表の強みと語るエリック・ダイアー

 

ウェンブリーについては幾度となく、多くの人々が話題にしてきたが、エリック・ダイアーはもっとも簡潔な表現によってそれらの声に対する見事な解答をしてみせた。

 

「芝生の上に4本の線が引かれるいるだけだから、他のグランドと多くの違いは無いと思うよ」

 

スパーズの選手としてのダイアーには、このナショナル・スタジアムへの自分なりの思いがある。いわゆる「ウェンブリーの呪い」は、すでに今シーズンのプレミアリーグを2試合戦った今でもとりはらわれてはいない。今回は、イングランド代表の一員として、「芝生の上に4本の線が引かれた」場所での戦いに挑む。

 

「隔週でウェンブリーでプレーできるのは本当に幸運だよ。楽しまないとね」

「おそらく対戦相手も同じ気持ちだろうけど、ウェンブリーとスパーズのことを周りはただ騒ぎ立てたいんんだ。昨シーズンなんて特にそうだったね。しっかり観てもらいたい。チャンピオンズリーグは、僕らがチームとしてパフォーマンスを落としていた時期だったでしょ」

「今シーズンは、まずチェルシー戦だったけど、試合を通して僕らのプレーは素晴らしかった。負けはしたけど、僕らのパフォーマンスはとても良かったよ。前節のバーンリー戦は、僕らがしっかりと試合を決めれなかったから引き分けになってしまった。とても残念な結果だけど、どこでも起こりうることだ。確かにウェンブリーは他に比べてピッチが大きいし、芝生もよく茂り、線も長い。けど、スパーズのトレーニング場のピッチも同じサイズにしているし、それは言い訳にはならないよ。チームとしてしっかり適応しているし、これからは心配ないさ」

 

 

ウェイン・ルーニーがイングランド代表からの引退を表明し、ダイアーはイングランド代表のメンバーとして、ハリー・ケインやデレ・アリとともに定着している。このような状況は、2-3年前であれば想像しがたいことだ。

 

「若手選手の1人として、初めてイングランド代表に加わった時のことを覚えているけど、ウェインはとても温かく僕らを迎え入れてくれて、輝いていたよ」

「イングランド代表を離れている時でもウェイン・ルーニーは僕らを気にかけてくれていたなんて、想像できないでしょ。でも、そういう人だったんだ。こういったことを多くの人はよく知らないんだ。そういった人だけに、ウェインがいなくなったことは、ピッチのなかだけじゃなく大きな影響があるよ」

「ファンタスティックな人だったから、彼が引退したことは寂しいね。1つの時代の終わりを感じるけど、今は彼と同世代の選手はあまり多くは残っていない」

「新しい顔ぶれや若い選手たちが台頭し、イングランド代表は世代交代の時期に入っている。現在のチームの状況を説明するのはとても難しくて、ワールドカップの本戦になれば僕らの本当の実力が分かるだろう。僕らは正しい道を進んでいることを願っているよ」

 

月曜に、ワールドカップ予選のグループ内ではライバルとなるスロバキアと対戦するイングランド代表。この試合に勝てば、来年の夏にロシアで開催されるワールドカップへの道は大きく開かれるが、本大会でもチームの中核をトッテナムの選手たちが務めることになるだろう。

「僕らみんながハードワークをしてチーム内での定位置の確保を目指して成長している。周りに馴染みの顔がいるのは良いことだけど、イングランド代表のなかで派閥ができたり、クラブの雰囲気でやったりということは無いと思うよ」

「今回のメンバーが発表され、15のクラブの代表が集まっていて、プレミアリーグの多くのクラブから集まった集団だ。これまででもっとも多様性に富んだメンバーだと思う。クラブのカルチャーについてとやかく言うつもりはないけど、3つか4つのクラブのメンバーが大半で、彼らが主導権を握るっていう環境が普通だと思う。今のイングランドはそうじゃない。みんなが本当に上手く混ざっていて、何の問題もなくやっていると思うね」

 

 

 

23歳でイングランド代表に定着した選手として、周りのロールモデル(お手本)となる立場であることを受け入れるダイアーだが、現代の選手たちにはそのプレッシャーや危険がつきまとっていることを理解している。

 

「この問題については、話しを始めたら終わらないよ。とても複雑なんだ。フットボーラーは、とても多くの子供たちから視線を向けられている存在だから正しい道を歩むことがとても重要だ。そのことをすべての選手が真剣に受け止めているけど、僕ら選手もまだまだ若者だってことを周りも分かってもらう必要がある」

「21歳か22歳の若者を6ヶ月くらいずっと見ていれば、必ず悪いことだって見つかるよ。フットボールの世界で25歳といったら、キャリアの半ばだ。でも、人生に置き換えてみれば、まだまだ若者で、過ちだって犯すんだ。そのことを周りは忘れないでもらいたい」

「ジェイミー・キャラガーが書いてた記事を読んだけど、才能に恵まれたフットボーラーは、必ずしも人として求められる他のすべての才能にも恵まれているとは限らないんだ。僕らは特定の分野で秀でた能力を持っているけど普通の人間で、その能力のおかげでとても巡られた境遇にあるけど、そこで得られる名声や富、子どもたちからの注目を上手くコントロールできるとは限らないんだよ」

 

1億3500万ポンドの移籍金でボルシア・ドルトムントからバルセロナに移籍した20歳のフランス人プレーヤー、ウスマン・デンベレは、プロとしてのキャリアがたったの2年出会ったにも関わらずこのような大型移籍を果たしたことに驚いていた。それこそが現在のフットボール界の象徴だとダイアーは語る。

 

「これが今のフットボールという産業なんだ」

「この流れに僕が納得していると言っているわけじゃないけど、彼が優れた選手で、それだけ金額を払おうとする人がいるのは、デンベレが悪いわけじゃないんだ。フットボーラー自身には、どれだけの金額が取引されているかについて語れはしないし、食物連鎖と関係していると言ったほうが分かるんじゃないかな」